講演録「創業に対する心構えと成功のポイント」第二部
トイレ掃除
私は会社の中で、「得意技はトイレ掃除だ」と言っています。トイレ掃除を10年やっています。トイレ掃除をやるきっかけは㈱イエローハットの鍵山秀三郎さんに会ったことです。鍵山さんはトイレ掃除をやって会社が良くなったと言われました。その時に、私の頭の中に、こういう言葉がありました。「男がいったん物事を始めたら、石に、しがみついてもやり続ける決意」。要は、会社の中でトイレ掃除を始める。それを社員は見ています。だいたい「社長は一週間でやめる」という想定のもとに社員は見ているのです。いいことをやり始めて、それを一週間でやめたら、社員の予想通りになって、また社員に信用が無くなる。
これからの創業も同じことです。石に、しがみついてでもやり続ける決意が持てた時にやればよい。熟成をしてからです。私の場合、トイレ掃除を行なうのに6か月近くの熟成期間があって、そして自分の中で、「会社にいる間はやり続けるぞ」という決意があって始めたから、10年も続いたのです。



