講演録「創業に対する心構えと成功のポイント」第二部
私のセールス
さて、それでは、私のセールスということでお伝えします。まず、訪問は大きな声で「毎度ありがとうございます」と言って入ります。あるいは、「おはようございます」あるいは「こんにちは」と言って入ります。
身だしなみですが、私は極めて古典的ですが、上下揃いの背広にこうして名札を付けて、ネクタイを締めて行きます。そして、応接間に通していただきます。応接間では、私の場合、椅子に掛けないで、立って待っております。先方の社長が入ってみえます。その時に、私の立っている姿を見たときに、こいつはやるなと、思わない社長もいますが、これはやるなと思う社長もいるわけです。要は、取引の相手が聞いてくれる状態をつくることです。
当社へ、よく社会福祉協議会の寄付集めで学校の先生のOBの人達が来られますが、その時、応接間へ私が入っていくとどのような格好をしているかというと、足を組んで、タバコをくわえて待っているのです。これがお金を寄付して欲しいと言ってきている人の姿なのです。この姿を見ただけで、とにかく早く帰って欲しいと思います。話を聞きたくありません。
まず、立って待っている。これで、商談相手の方のコップ(心)が上を向きます。これから、この人から聞いてみたいと思います。
足を組んで、タバコをくわえているようでは、コップ(心)をふさいだ状態です。商談相手の心が開いていないのです。「もう帰れ」という状態です。これでは、いい商談は出来ません。
それからもう一つ、座った時に、足を組むのはもってのほか、椅子の後ろにもたれず、緊張感をもって、わずか20分間か30分間ですから、きちっとして聞くという姿勢が大切です。とにかくお願いに行くわけですから、そういうことに気を付けています。
私どもの営業マンは、よく会議中にタバコを吸うので、「皆さん、よく煙草を吸うけど、お客様のところに行ったらどうするの」と聞きましたら、「お客様のところに行ったら、もちろん、煙草を吸ってもよいですかと聞いてから吸います」。「お客様はどう言うかな?」と言ったら、「どうぞ吸ってくださいと言います」。「いや、そう言えばそうだけど、当社へ来る仕入先が、煙草を吸ってもいいかと聞かれたら、いいですよと言うけど、この人早く帰ってもらえないかと思うよ」と言いました。要は、お願いに行くのに、わざわざ人の嫌がることをやっているのです。だから煙草を吸うことは、面談中、当社の営業マンはしません。余程リラックスして、お客様が一緒に吸おうと言われた時だけで、普段は煙草を吸いません。
こういう、最初に訪問するときの姿勢が、お客様の受け入れる状態になっていくということです。



