講演録「創業に対する心構えと成功のポイント」第二部
カバンは10kg
もう一つ具体的なことを言います。今日は講演会なのでこのカバンの中身は少し軽いのですが、だいたい10キロを持って歩いています。東京へ行くと、お客様が、「岐阜の寅さん」が来たと言われます。「はい、寅さんです」と言って笑っているのです。このカバンには、喜びのアイテムが30から40個入っているのです。人生をどう生きるかというカセットテープ、あるいはどう生きるかという冊子が入っています。また、業界の情報のコピーが入っています。もっとすごい物を見せると、トイレ掃除の道具まで入っています。汚いトイレでは嫌味になるのでやりませんが、ちょっと綺麗なトイレで汚い所がありますと、持参したサンドメッシュを使って磨くと、光ります。そうするとお客様はびっくりされます。一度でファンになっていただけます。
要は、このカバンの中には、その日の自分が想定するドラマがあるのです。お客様の所へ行って、話が出て来たときに、「それはここに有ります」と、玉手箱のように出します。うちの会社の悪いセールスマンの例を言いますと、車で行くにもかかわらず、喜びのアイテムを1つか2つしか持っていかない。これしかない、と持っていきません。これではお客様は喜ばれません。どんな人に会うかもわからないのですから、10キロになるくらい、たくさん持っていきます。売り上げのよいセールスマンほど重いカバンを持っています。それだけお客様を喜ばせたいという思いです。これを私流にいうと、プラスワンの精神といいます。「会っていただいてありがとうございました」ということです。
お客様との共通点は、経済のこともありますが、すべて人生です。涙の流れるようなことの書いたものを集めて、コピーをして配る、そして感動を与える。
私の得意は料理ですから、今晩何にしようという女性がいたら、「NHKの料理番組でこんなメニューをやっていました」と、レシピを作って持っていきお見せします。
次から次へとアイデアはあるわけです。とにかくネタをたくさん持っています。
それは、保険屋さんでも言えます。会社で作られた保険のグラフか何かの資料を自分流に作ってくる勧誘員には「やる気」を感じます。写してでもいいから自分で作る。
お客様に対しての思いがこのカバンになります。ぜひ、これから皆さんも重いカバンを持って、お客様が何を望んでいるかということを察知して用意をしてから訪問をしてください。
思うだけじゃなく、手足を使って喜ばすことも具体的にお伝えします。お客様がもし新聞に掲載されていたら、その時に、「新聞に出てみえましたよね」と言葉だけではダメなんです。手足を使って人を喜ばすのですから、どうするかというと、出ていた新聞をコピーして持っていき、そして見せるわけです。そうして、「掲載されていましたね」と言う。そんなことを頭のいい人はやりません。だからいいんです。「手足を使って人を喜ばす」ということは、業界情報紙を持って、お客様の前にいくことでもできます。
このように、あの手この手でお客様を喜ばせる。訪問の都度、喜びのアイテムを渡さなくてはいけない。
普通の人の場合は、3度めや4度めになるとおそらく会ってもらえない。でも、私の場合は出張で東京に行って、「この近くまで来ました」と言えば、「先客があるけれど、早く来い」と言われる。そのぐらい信用が出来ました。常に、私と会うと何か貰える。人生の糧(かて)が貰える。このように、お客様に喜んで会っていただけて、良い情報が私もいただけるのです。



